野生のパンジー

文化人類学の話

思考メモ:支配

 支配という言葉で想像するのは「AはBを支配している」のような状態、まあつまりBに対するAの優位性なんだけど、ちょっと考えるとこれって「BはAを支配している」ともとれるんじゃないか。というのもAがBを支配という関係の中においてるとき、その優位性はBの存在なしでは語れない。Bの劣位性があって初めてAはBに対して支配を行っているといえる。BがいることによってAの行動は動機付けられている。そう考えるともう優位/劣位という二項対立すらナンセンスに思えてくる。実は人が人を支配しているということは、ほんとは両者の社会関係に支配されているということなのかもしれない。関係や規則に支配されているということ。私が自分が日本語文法を完璧にマスターしていることを言い表したいときに、「私は日本語文法を支配しています」なんて言うこともできるけど、これって裏を返せば私は日本語文法という枠組みの中にとらえられてるともいえる。完全に正しく日本語文法を使いこなせているということはすなわち日本語文法によってすべての言葉を制御されているということにほかならない。文法規則に完全無欠に従う=支配されているということじゃないか?

 と、ここまで考えたけどここから進まない。この辺の話に関していいヒントはないだろうか?