野生のパンジー

文化人類学の話

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

思考メモ:支配

支配という言葉で想像するのは「AはBを支配している」のような状態、まあつまりBに対するAの優位性なんだけど、ちょっと考えるとこれって「BはAを支配している」ともとれるんじゃないか。というのもAがBを支配という関係の中においてるとき、その優位性はBの…

現実を構成する想像力

前回書いたオカルト・物語・想像力についての記事で参照した浜本満が別の論考で、前回出てきた現実構成的想像力に関してより詳細な説明をしていたので脳内整理のためにまとめようと思う。 ---------- ・「現実」対「想像」 私たちはオカルト的な語りが「想像…

オカルト、想像、物語

卒業論文の参考文献の一つを読み進めていくうちに、私が普段から考えている、人々の「信仰」に関してまさに目から鱗ともいえるような説明がなされていた。忘れないうちにメモをしておこうと思う。以下は参考にした文献の情報である。 浜本満 (2014)『信念の…

うんこはなぜ汚いか

・うんこは「わたし」? タイトルを見て、何を言ってるのかと思った者もいるだろう。そんなの疑問に思うまでもない、汚いものは汚いのだ、臭いし、雑菌だらけだ、だから汚い、そういうものだ、と言われても納得がいく。しかし、においで言えばくさやや納豆だ…

境界性②

時間と空間というのは本来連続的なものである。しかし人はそこに人為的に境界を作りだし分節化する。最もわかりやすい例は、時間だ。わたしたちは、時間を1年や1日という単位でとらえ、1日を昼や夜といった名前で知覚する。しかし、時間は本来絶え間なく流れ…

境界性①

「夕暮れ時」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。どこかロマンティックだったり、哀愁が感じられる。あるいは何か「神秘的」なものを感じるかもしれない。何にせよ何がしかの特別な雰囲気を夕暮れ時は醸す。ここでひとつ疑問を投げかける。なぜ「夕暮れ時」…

野生のパンジー

フランスの文化人類学者、クロード・レヴィ=ストロースが1962年に発表した『La Pensée Sauvage』という本がある。発音すれば「ラ・パンセ・ソバージュ」、英語と日本語でそれぞれ『The Wild Mind』、『野生の思考』という訳語が与えられている。penséeが<…